はじめに
※この記事には個人の体験や、ベトナム人の先生・国際交流会の参加者から直接聞いた話が含まれます。
ベトナム語の勉強を本格的に始めてから、毎週のオンラインレッスンだけでなく、日本に住むベトナム人との交流会にも積極的に参加するようになりました。
そこで毎回ひしひしと感じているのが、「日本とベトナムは、想像以上に文化や常識が違う!」ということです。
生まれ育った国が違うので、価値観が違って当たり前ではあるのですが、現地のリアルな話を聞いたり実際の映像を見せてもらったりすると、驚くことの連続でした。今回は、56歳からベトナム語を学び始めた私が、交流会やレッスンを通じて特に衝撃を受けた「日本とベトナムの文化の違い」について、前編・後編に分けて分かりやすく書いてみます。
目次
- 歩行者は最弱?ベトナムの衝撃的な道路事情
- ラーメンの「ズズズッ」はNG?食事マナーの違い
- 湯船は驚き!?日本独特のお風呂文化への反応
- 活気あふれる!ベトナムの魅力的な屋台・市場文化
- 【後編へ続く】水上市場の衝撃からカラオケ大好き事情まで
- まとめ:違いを知ることで世界がぐっと広がる
歩行者は最弱!?ベトナムの驚きの道路事情
まず私が一番カルチャーショックを受けたのが、現地の「道路事情(交通ルール)」です。
日本では誰もが「歩行者優先」を当たり前として教わりますし、信号のない横断歩道でも歩行者がいれば車が止まってくれることが多いですよね。しかし、交流会でベトナム人の方々から聞いた話では、ベトナムの道路には明確な「力関係」があるというのです。
それはずばり、「大きい乗り物ほど強い」というルールです。具体的には以下のような序列になっているそうです。
- バス > トラック > 普通車 > バイク > 自転車 > 歩行者
最初にこの話を聞いた時は、「えっ、歩行者が一番弱いの!?」と思わず声を上げてしまいました(笑)。
実際に現地の道路の映像を見せてもらうと、ものすごい数のバイクが波のように押し寄せており、日本人からすると道路を一本渡るだけでも相当な勇気とコツが必要そうに思えました。
さらに驚いたのが「クラクション」に対する感覚の違いです。
日本ではクラクションを鳴らされると「怒られている」「煽られている」と感じて不快になることが多いですが、ベトナムでは「私は今ここにいますよ、横を通りますよ」という親切な合図(挨拶)として日常茶飯事に鳴らすのだそうです。
文化が違うと、まったく同じ「クラクションを鳴らす」という行動でも、受け取り方の意味が180度変わるのだなと深く感心させられました。
ラーメンをすする音は日本独特?食事マナーの壁
次に交流会で大盛り上がりしたのが、「食事中のマナー」についてです。
日本人はラーメンや蕎麦を食べる時、あえて「ズズズッ」と勢いよく音を立ててすするのが一般的ですよね。私もそれが普通だと思って生きてきましたし、日本ではむしろ「美味しそうに食べている証拠」と捉えられることもあります。
しかしベトナムでは、「食事中に音を立てて食べる習慣やマナー」は基本的にはないそうです。麺類を食べる時も、レンゲや箸を上手に使って、静かに口に運びます。 [1]
国が違えば、美味しそうな音が「行儀の悪い音」に変わってしまう。将来、もしベトナムへ旅行に行く機会があれば、現地での食事の仕方には少し気をつけようと思わされた、大切な気づきでした。
湯船に浸かるお風呂文化は、海外から見ると珍しい?
日本の生活に欠かせないものといえば、一日の疲れを癒やす「お風呂(湯船に浸かる文化)」です。
私たち日本人は、仕事や勉強で疲れたときほど「あぁ、やっぱり湯船に浸かってリラックスしたいなぁ」と思いますよね。
ところがベトナムでは、日常的にはシャワーだけで済ませる人が圧倒的に多いそうです。
そのため、日本の「銭湯」や「温泉」の映像をベトナムの方に見せると、かなり驚かれるのだとか。
確かに、「家族ではない大勢の人と同じ大きなお湯に裸で浸かる」という文化は、世界的に見ても日本独特の面白い風習なのかもしれません。もしベトナム人の友達が日本に来てくれたら、ぜひ温泉に連れていってそのリアルな反応を見てみたいものです。
活気あふれるベトナムの屋台・市場文化が面白そう!
オンラインレッスンの際、ベトナム人の先生からこんな質問をされたことがあります。
「もしベトナムに来たら、綺麗な高級レストランと、ローカルな屋台、どっちでご飯を食べたいですか?」
私は迷わず「断然、屋台です!」と答えました。理由はシンプルで、ものすごく楽しそうだからです。
ベトナムには昔から深い「屋台文化」があり、夜になると観光地だけでなく地元の至る所でナイトマーケットが開かれるそうです。プラスチックの小さな椅子に座って、現地の活気を感じながら食べるフォーやバインミーは、想像するだけでワクワクします。
振り返ってみれば、日本でも昔は地域の市場や商店街がもっと身近で、売り手の人と会話をしながら買い物をする楽しさがありました。現代の日本は大型スーパーやコンビニが増えて便利になった反面、少し寂しさもあります。ベトナムで今もなお根強く残る「人と人が繋がる市場文化」は、とても羨ましく、魅力的に映りました。
船の上で火を使って料理!?「水上市場」の映像に受けた衝撃
交流会で教えてもらったベトナムの文化の中でも、私がトップクラスに圧倒されたのが、南部メコンデルタ地方などで有名な「水上市場(すいじょうしじょう)」です。
実際に現地の様子を映した動画を見せてもらったのですが、目の前に広がっていたのは私の想像を遥かに超える光景でした。
- 数え切れないほどの小船が川を埋め尽くしている
- 船の上で手際よく料理(フォーなど)を作っている
- なんと船の上で「本物の火」を使って調理している!
日本に住んでいる私からすると、「水の上で火を使うなんて危なくないのかな!?」とハラハラしてしまいますが、現地ではこれが日常の風景です。
さらに驚いたことに、川沿いには水上に浮かぶように建てられた家々が並び、住民の皆さんは日常の移動手段として船を乗りこなして生活しているそうです。同じアジア圏でありながら、地理的な環境によってここまでダイナミックに生活スタイルが変わるのかと、ただただ「すごい……」と言葉を失うばかりでした。
ベトナム人はカラオケが大好き?街中に響く圧倒的な熱量
これもオンラインレッスンの先生から聞いて、思わず耳を疑ったお話です。ベトナムの皆さんは、とにかく「カラオケ(Karaoke)」が大大大好きなのだそうです。
日本ではカラオケというと「防音設備が整った専用のボックス(お店)に行く」のが一般的ですよね。しかし、ベトナムでは以下のようなリアルな日常があると言います。
- 一般の家庭に本格的なカラオケセット(スピーカーとマイク)がある
- 週末や親戚が集まるお祝い事があると、自宅の敷地や軒先で大熱唱が始まる
- 夕方になると、街のあちこちからご近所さんの歌声がごく自然に聞こえてくる
最初は先生が冗談を言っているのかと思い、「本当にそんなにオープンに歌うんですか!?」と聞き返してしまいました(笑)。
しかし、国際交流会に参加していたベトナム人の若者たちに確認してみたところ、みんな口を揃えて「はい!カラオケは本当に大好きです!」と笑顔で答えてくれました。日本生まれのカラオケ文化が、ベトナムで独自の凄まじい熱量を持って愛されているのは、なんだか嬉しくもあり、とても興味深い現象です。
「ベトナム旅行に行くなら絶対見て!」と勧められたダナン国際花火大会
交流会の参加者や先生が、「もしベトナムに行く機会があるなら、絶対に時期を合わせて見に行ってほしい!」と大絶賛していたイベントがあります。それが、ベトナム中部のリゾート地で開催される「ダナン国際花火大会(DIFF)」です。
これは単なる地域の夏祭りではなく、世界各国からトップクラスの花火職人チームが数ヶ月にわたって集結し、テーマに沿った華やかな演出を競い合う世界規模の一大イベントなのだそうです。
日本の伝統的な花火(ドンと一発きれいに開く美しさ)も世界に誇れる素晴らしさですが、音楽とレーザー光線、そして夜空を埋め尽くす海外のダイナミックな花火ショーも、人生で一度は生で体感してみたいと胸が躍りました。
ベトナムには桜がない?秋の街を包む「ミルクフラワー」の誘惑
日本を象徴する春の花といえば「桜」ですが、ベトナム人の先生に日本の桜の写真を見せたところ、「ベトナムには日本のようなお花見や桜の文化はほとんどないですよ」と教えてくれました。
その代わり、ベトナム(特に首都ハノイ)には、人々の心に深く刻まれている特別な花があるそうです。それが、白い小さな花を咲かせ、どこかミルクのような甘い香りを放つ「ミルクフラワー(ベトナム語:Hoa sữa / ホアスア)」です。
ハノイでは非常に有名な街路樹で、毎年秋の訪れとともに、街全体がこのホアスアの強い香りに包まれるのだとか。ただ、この花に対する現地の人の反応がまた面白いのです。
- 「この香りを嗅ぐと、大好きな秋の故郷を思い出して幸せになる」という人
- 「香りが濃厚すぎて、近くを通ると頭が痛くなる!」という人
日本の桜は「誰もがその美しさを愛でる」という全会一致の存在ですが、ベトナムのホアスアは「大好き」と「苦手」がハッキリ分かれるという、なんとも人間味のあるエピソードに思わずクスッとしてしまいました。文化だけでなく、植物に対する感じ方の違いを知るのも本当に楽しいですね。

違いを知ることで、56歳の私の世界はぐっと広がった
56歳という年齢でベトナム語の勉強を始めるとは、数年前の私には想像すらできない未来でした。
しかし、一歩を踏み出して言葉を学び始めたことで、今まで日本で「これが当たり前、これが普通のマナーだ」と思い込んでいた常識が、海を渡ればまったく通用しないのだという新鮮な事実にたくさん出会うことができました。
交通ルールの違い、音を立てない食事、船の上の生活、街中でのカラオケ……。
文化の違いを知ることは、時に驚きや戸惑いもあります。しかし、それ以上に「世界にはこんなに面白い生き方があるんだ!」という大きな感動を私に与えてくれます。
私のベトナム語学習はまだまだ発展途上ですが、これからも言葉のシャワーを浴びながら、もっともっと現地のリアルな文化や人々の温かさに触れ、自分の世界を広げていきたいと思っています!


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